志はグローバルな視野とローカルへのまなざしを忘れないこと、そして「文化」「産業」「人」をつなぐ架け橋となること
中学生の頃、父がメキシコに駐在していた。
遠く離れた土地で、異なる言語と文化の中に飛び込んで働く父の姿は、私にとって「世界の広さ」を知る入り口だった
自然と私はスペイン語を学びたいと思うようになった
大学では京都外国語大学スペイン語学科に進学。
日々の言語学習に加え、市民オーケストラでオーボエを担当し、クラシックの世界に"のめりこんだ"
五線紙に描かれた音符と記号は、辞書のページの単語と同じ。音楽を奏でることは想いを文章に言語化すること
ステージを見に来てくれた人へ曲を奏でることは、サービスや商品をお客様へお届けするのと同じ
卒業後、外資系化学会社・ヘキストジャパンに入社
130か国を相手に、輸出営業として国際貿易の最前線に立ち、ヘキストグループの仲間へ日本の医薬品や化学品を販売した
やがて、自分の関心が「物を売ること」よりも、「作る人・伝える人」の側にあることに気づき、ファッション業界へ転職
高齢化が進む国内職人の技術を補うべく、東南アジアのバッグ工場との連携を図り、イタリアの工場も巻き込んだ国際生産体制を構築した
その後、国内の皮革製品メーカーにて、海外戦略の立案と実行を担う。経営再建、黒字化、人材体制の整備など、企業を“持続可能なものづくり集団”に変える仕事に携わった
転機が訪れたのは2009年
タイとベトナムのビジネスミッションを主催し、その成功をきっかけにタイ政府関係者との信頼関係が深まり、以降、現地との協働が本格化した
現在はタイ文化省の要請を受け、CPOT(文化的価値のある手仕事の製品)の中からバッグ、雑貨、玩具などを日本市場へ紹介するプロデュースとマーケティングをバンコク在住のパートナーと共同運営
単なる輸入ではなく、「その背景にある物語」や「地域の課題」を伝えることで、作り手と使い手を社会的に結びつける活動を行っている
“仕事”は、数字や戦略だけで動いているわけではない
誰かの暮らし、誰かの文化、誰かの手と想いがある
それらを見える形にし、未来へつなぐことが、私の使命
現場を知ることは伝える仕事に直結している
モノがあふれる時代に伝える力がなければ埋もれてしまう
サービスや商品の優れていることばかり話すのは、つまらない
そのモノを作る国の歴史、地域の習慣、人々の暮らしぶりを取材を通して体験
そしてリスペクトを込めて「光を当てる」
それが私の仕事と人生の完成イメージ