インバウンドへのお土産話
インバウンドが浅草、人形町、神楽坂に観光と買い物を楽しみに来てくれた時のお土産話を作りました。こんな話を接客しながら、お会計しながら、梱包しながら、さくっと英語でお話ししてあげることをお土産話と言います。
5月は東京神田祭りです。大阪の天神祭り、京都の祇園祭と並ぶ日本三大祭の一つです。6月には山王祭、8月には深川八幡祭があります。
祭りとは神様が氏子とコミュニケーションをとる行事です。鳳輦神輿に神様が乗って氏子に会いに出かける。だいこく様、えびす様、まさかど様と神様にも違いがあるのですね。
一の宮 : だいこく様は出雲大社と同じ縁結びの神様 (夫婦和合)
二の宮 : えびす様は医薬の神様、農耕の神様、温泉の神様、酒造りの神様 (商売繁盛)
三の宮 : まさかど様は神に奉られた闘いの象徴としての平将門 (勝運と「厄除け)
神道と仏教を外国人に説明するのも販売員の接客の一つと考えてスタッフ指導のためわかりやすくまとめています。
主に欧州のインバウンド空海(香川県出身)が24歳の時仏門に入り31歳の時遣唐使の舟に乗り半年かけて長安に行き43歳の時「高野山プロジェクト」を立ち上げ、62歳で亡くなった後、贈り名の弘法大使という名前を受けたのですが、贈り名は諡(おくりな)という漢字だと初めて知りました。
神道先か仏教が先か。どちらが偉いのか。
神道はアニミズム(aminism)という生物・無機物を問わない全ての中に宿る霊魂や魂が万物の根源であるという考えだと言われています。
1871年にイギリスの人類学者エドワード・バーネット・タイラー氏が「原始文化」という著書の中で書いています。
アニミズムと共にシャーマニズム(shamanism)が引用されることがあり、後者はロシア語派生の英語ですが、祈祷師を代表とする超自然的な世界とつながる精神世界があり俗人とてその世界とつながっているという考え方ですね。
奈良、平安、鎌倉という時代の流れの中で、神道の国の天照大御神の子孫である天皇(聖武天皇)が仏教大好き天皇を自称し奈良にどでかい大仏を作ったんですね。
当時の道鏡という僧侶が女帝「称徳天皇」が仏教の熱狂的サポーターだと知り、自己推薦で自分が天皇になろうとして、失敗したのですが(笑)神道の主役である天皇家が仏教のサポーターだったので、「仏教を否定すると天皇と神道を否定することになるよね」それもできずに、「どっちが上だの、下だのと言ってる場合ではない」よね、だったら「神仏融合」という考え方が生まれたそうです。
ざっくり言うと、八百万の神々は800万あるわけで、仏教が一つ加わったとしても、800万に占める寄合は0.0000125%なので、「まぁ一つくらいいいか」という考え方で仏教が共存する国になったのではないかと想像します。
つまり、「神様は仏様の化身」という定義をすれば神様は仏様を守る守護神だと説明がつくのですね。そこから生まれた考え方「本地垂迹説」という考え方が生まれ、平安時代に神社の中に仏像を置いたりし始めたのですね。
本地垂迹説の定義が出来た結果、神仏習合となり、香川県出身の空海さんが43歳で立ち上げた高野山プロジェクトで、もともと山に宿る神様の家である神社の近くにお寺を建てて共存したことの説明ができます。
その後徳川幕府の開拓した江戸は現在の浅草、元浅草に本拠点がある山藤さんのある元浅草にも確かに神社があります。徳川家康さんは、細かいことは置いといて、お寺でも神社でもここに来たい人はどうぞ。
そんな流れが今でも民家と民家の間に小さなお寺がたくさん存在し、戦後はそのお寺が保育所となり、戦争孤児がお寺で育てられ、学校へ行けない子供たちに勉強する教室を作りました。それが「寺子屋」となり、今でも「テレビ寺子屋」という番組が残っていることを思えば、楽しい歴史授業です。
インバウンドが下町、祭りに興味を示した瞬間にこのストーリーを3分間くらいで英語でプレゼンしてあげると、ちょっと得した気分になると思います。
販売員の皆さんの出番です。さあ張り切ってショップ・キャストを楽しんでください。