兵庫県三木市出身の「玉岡かおる」さんによる書き下ろし

 高砂市高砂町に1743年に漁師の家に誕生した松衛門さん、後に幕府より工楽という名を与えられ工楽松衛門と呼ばれた発明家の一生を知るための一冊と出逢いました。全国各地の仕事に呼ばれ択捉の防波堤建設に携わり、広島の鞆の浦の防波堤も作ったそうです。その地は現在も美しい湾曲として宮崎駿監督のアニメのイメージになっていると言われています。

 松衛門さんが牛頭丸少年だったころ、牛頭丸少年が友達の千鳥さんという女の子と過ごし、千鳥さんの弟の新三郎少年が海の事故で幼い命を失ったこと。松衛門さんが仕事に導かれるようにその後松衛門帆と呼ばれた帆船の帆を作ろうとしたこと。すべては牛頭丸の持つ周りの人に対する天性の思いやり、相手の気持ちを察そうとする心の余裕が読み取れます。

 仕事は探すものではなく、「呼ばれる」という話を聞いたことがあります。まさに今から280年前の史実からもそれを感じることができます。自分で仕事を選んだと言う前に、仕事に呼ばれたと考える。そして、それが好きならば続けていく。それが自分の仕事となり社会の役に立つのであればそんな贅沢な生き方はお金では買えない価値だと思います。未来はコントロールできませんが、過去の史実の感じ方次第では過去に起きたことすら自分の未来に影響を与えることができるような気がします。そんな余裕のある考え方があれば人は幸せに暮らすことができるのではないでしょうか。そんな一冊になるような気がします。

 神戸市にある石碑には苦楽松衛門と名を残しています。苦楽を共にすると言えば280年後に生きる子供たちにも伝わる言葉だと思います。2023年4月15日㈯に本が届きました。画像も新しく作り直しました。高砂から大阪へ高砂の木綿を届ける航海の時にカモメと出逢ったのではないかと想像して作りました。本を少しづつ読ませて頂きます。

「玉岡かおる」さんの著書をイメージして松衛門帆と革を用いたブックカバーを商品化する企画をスターしました。どこの誰と組んで開発するかは4月23日に可能性のある職人さんと打ち合わせを行います。進行状況については随時報告させて頂きます。お楽しみに!!

【続く】