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「光をあてる」シリーズは、タイ南部の村々で250年以上続く伝統技術と、日本社会が抱える課題とをつなぐドキュメンタリー形式のストーリーです。
社会課題、文化交流、国際協力、障がい支援、地域経済──いずれの切り口でも深掘りが可能な実例を章ごとにご紹介しています。
遠く離れたタイの村で受け継がれてきた手仕事と、日本で暮らす私たちの毎日がつながる物語です。
かごバッグや動物刺繍の裏にある、人生・家族・想いの物語を、ひとつずつご紹介しています。
プロローグ ~遠くて近いタイと日本~
1612年、ひとりの日本人がシャム(現在のタイ)へ渡った――静岡県出身の山田長政。
彼は現地で頭角を現し、ついにはアユタヤ王国の武官長にまで登り詰めました。
その頃、海を越えて伝わった赤い染料「蘇芳(すおう)」は、日本の染織文化にも大きな影響を与えました。
日タイの交流は、遠く400年以上も前から静かに、しかし確かに息づいています。
そして今、その絆は「手編み、手染め、手刺繍」でつくるタイの特産物となりました。
赤い染料は時を超え、籠バッグを染める染料として、脈々と継承されています。
第0章 日タイの歴史的絆
400年以上前、東南アジアのシャム(現在のタイ)と日本は、静かにしかし確かな交流を育んできました。その歴史の中で、特に注目すべきは両国の王室と皇室の深い結びつきです。
1612年、静岡県出身の山田長政はシャムに渡り、現地で卓越した武功を挙げアユタヤ王国の武官長にまで上り詰めました。彼が築いた日本人村は、世界でも最も古い日本人コミュニティの一つとして知られ、その後の日本人会へと発展しました。
タイ王室は古くから日本皇室と友好関係を築き、両者は文化交流や外交の場で互いの尊重と理解を深めてきました。19世紀末から20世紀初頭にかけては、日本とシャムの国交が正式に成立し、さらに緊密な関係が築かれていきます。
両国の王室・皇室は、単なる政治的な結びつきを超え、文化や伝統を通じて人々の心をつなげる架け橋となってきました。この歴史的な絆は、現代においても様々な交流や共同プロジェクトの基盤となっています。
現在、伝統工芸や社会課題に光をあてる新たな物語が日タイの架け橋として生まれているのも、この長きにわたる王室の友好関係と文化交流があってこそです。
第1章 タイ国パッタルン村の職人に「光をあてる」
犬や猫などの刺繍を施した籠バッグをタイで生産し、日本で販売している。前職でタイに関わり、現地の人との縁やつながりによって今の事業にたどり着いた。生産する職人を応援したいと、リスペクトを込める。
第2章 ラマ9世は王室のジャーナリストだった
第3章 ラマ9世とのドラマティツクな出逢い
第4章 王室が派遣した技術者から学ぶ
第5章 大分県の村興し活動がきっかけ
~タイの政治家が独自の活動を始めた~
第6章 タイ・ビジネスミッションで出逢った仲間たち
~2009年2月経産省支援プロジェクト~
第7章 コロナ感染症拡大による仕事の激減
~家財を売り従業員たちを命がけで守った経営者たち~
第8章 仲間たちの団結と覚悟
~もう少しの辛抱だ、がんばろう~
第9章 渡航制限解除 仲間たちとの再会
第10章 パッタルン村への出張取材
~アルニー先生単独インタビュー~
第11章 災害救助犬と盲導犬との出逢い
~犬の刺繍から広がる働く犬の刺繍企画~
第12章 ペットロスを悲しむ友人のための贈り物
~保護猫たちとの生活、そして別れ~
第13章 ペットは家族の一員
~そして生まれた ”マコパルテ” ~
第14章 作る責任、使う責任
~作り過ぎない、エシカルな考え方~
第15章 購入支援が広げるい仕事の創出
~次世代への技術の継承~
第16章 社会課題と向き合う
~盲導犬ユーザーが入店を断られることを減らしたい~
第17章 視覚障碍者に伝えること
~職人のしごとをナレーションで伝える~
第18章 聴覚障碍者に伝えること
~職人のしごとを視覚化して伝える~
エピローグ 未来に続く灯
~ラマ9世 生誕100周年イベントに向けて~
